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河 侑成; 高見澤 悠
no journal, ,
原子炉圧力容器(RPV)の脆化予測法は、Cu富裕クラスタなどの溶質原子クラスタとマトリックス損傷が脆化に寄与するものとして整備されているが、Cuの含有量が少ないRPV鋼においてもMn, Ni等を主要元素とする溶質原子クラスタが生じ、脆化することなどが報告されている。しかし、溶質原子クラスタの化学組成やマトリックス損傷等の脆化への影響については十分な知見が整備されていない。本研究では、低Cu含有材(0.03wt.% Cu)における溶質原子クラスタの形成及びマトリックス損傷の形成と機械的特性変化の関係を明らかにするため、高照射量領域である610 n/cm及び510 n/cmまで照射された低Cu含有のRPV鋼を対象に、東北大学金属材料研究所附属量子エネルギー材料科学国際研究センター(大洗)にて3次元アトムプローブ観察を行った。その結果、610 n/cmの照射量ではNi, MnとSiを主とした溶質原子クラスタ(Ni-Mn-Siクラスタ)がわずかに観察され、同程度の照射量まで照射された高Cu含有材のクラスタ(Cu富裕クラスタを含む)と比べて、クラスタの直径が顕著に小さく、体積率が顕著に低い傾向であった。一方で、510 n/cmの照射量では、110 n/cm程度で照射された高Cu含有材におけるクラスタ(Cu富裕クラスタ含む)の直径や体積率と同程度の直径及び体積率のNi-Mn-Siクラスタが観察された。今後、同材料を用いた破壊靭性評価を実施し、Ni-Mn-Siクラスタが照射脆化に及ぼす影響を定量的に分析する予定である。
丹野 敬嗣; 藤田 江示; 静川 裕太
no journal, ,
高速炉燃料集合体ラッパ管用フェライトマルテンサイト鋼(PNC-FMS)の破壊靭性評価用にミニチュア3点曲げ試験技術の開発を進めている。これまでに最適化した試験片形状を炭素鋼S45Cに適用し、手法の汎用性を確認した。1/2CT試験と比較して、ミニチュア試験による評価は大きな破壊靭性値を示す傾向であるが、再現性良くデータ取得できることを確認した。したがって、本手法により、PNC-FMS以外の鋼種についても半定量的に信頼できる破壊靭性試験を実施できると考えられる。
冬島 拓実; 高部 湧吾; 佐谷戸 夏紀; 武内 伴照; 竹本 紀之; 土谷 邦彦
no journal, ,
材料試験炉JMTRは、約40年間にわたって先進照射技術を開発しながら、発電用軽水炉を中心に新型転換炉、高速炉、高温ガス炉、核融合炉等の燃料・材料の照射試験、大学を中心とした原子炉材料に係る基礎研究や人材育成、医療用・工業用のラジオアイソトープ(RI)の製造等に広く活用され、我が国の原子力の平和利用に大きく貢献してきたが、令和3年3月17日に廃止措置計画が認可され、廃止措置を進めている。JMTRの廃止決定により国内の照射場が失われ、我が国における照射研究基盤が危機的な状況となっている中、日本原子力研究開発機構大洗研究所材料試験炉部では、海外炉を用いた照射試験によってJMTRの照射機能の一部を代替するJMTR代替照射に向けた取り組みを開始している。本発表では、これまでの海外炉を用いた照射試験並びにこれらを踏まえたJMTR代替照射に向けて進行中のプロジェクト及び今後の計画について報告する。
端 邦樹
no journal, ,
国内PWRで中性子照射された原子炉圧力容器鋼に対して三次元アトムプローブを用いた溶質原子クラスタ分析及びオージェ電子分光分析を用いた粒界偏析元素分析を行った。三次元アトムプローブ分析では、シリコン(Si)の含有量に着目し、溶質原子クラスタの数密度、大きさへのSiの影響について評価した。その結果、Si含有量が高いほどクラスタの半径が小さくなることが示された。また、脆化量の指標である関連温度移行量(RT)の析出硬化メカニズムにおける切断機構(溶質原子クラスタの体積率と半径の積の平方根に比例)への依存性が見られたことから、Siの溶質原子クラスタの半径への寄与が切断機構を通して脆化量に影響を与えている可能性が示唆された。オージェ電子分光分析では、リン(P)の粒界偏析に着目し、既往研究データとも合わせて、原子炉圧力容器鋼における粒界脆化顕在化の可能性を調べた。実験の結果、照射量の増加に伴うP偏析量の増加は小さいことが示された。これにより、今回分析したリン含有量の範囲では、高照射量領域まで照射した場合でも、既往研究において粒界脆化の顕在化が懸念されるレベルよりも十分に低いものとなることが分かった。
風間 裕行; Ma, Z.*; 鈴木 達也*; 小無 健司*; 松尾 悟*; 吉田 健太*; 本間 佳哉*; 渡部 信*; 阿部 千景*; 鈴木 克弥*
no journal, ,
福島第一原子力発電所の廃止措置を着実に進めるために、燃料デブリ中の核種分析法の確立は喫緊の課題である。燃料デブリは溶融炉心とコンクリートとの相互作用(molten core/concrete interaction; MCCI)により、難溶解性の物質であることが予想されており、化学分析技術確立のためには、適切な試料溶解条件を見出すことが重要である。本研究では、燃料デブリの溶解において有効な手法と考えられるアルカリ融解法に着目し、模擬MCCI燃料デブリの溶解挙動を調査した。
板垣 亘
no journal, ,
高速実験炉「常陽」の運転再開に向けた取組みの状況と新たなMK-IV炉心における照射試験機能について報告する。「常陽」では運転再開に向け照射試験ユーザーの拡大に向けた検討を進めており、当会議において「常陽」の照射装置や中性子束等の照射能力、照射後試験施設の試験機能の他、照射機能の拡大に向けた技術開発について紹介し、国内外の研究者と照射試験利用について意見交換を行う。
丹野 敬嗣; 静川 裕太; 藤田 江示
no journal, ,
開発を進めているミニチュア3点曲げ破壊靭性評価技術を用いて、PNC-FMSの熱時効後の破壊靭性評価を実施した。600C、6000hの熱時効を経たPNC-FMSは、シャルピー衝撃特性は劣化していたが、室温での破壊靭性は低下していないことが本試験により示された。また、試験片への疲労予き裂を熱時効の前と後に導入した場合を比較した結果、今回の熱時効条件の場合では有意な差異がないことが分かった。